世界の潮流、乗り遅れる日本

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僕のような仕事をしているとこんな事を聞かれます。

息子が情報系の大学を希望しているのですが、ある人に情報など独学で十分学べると言われました。
わざわざ大学で学ぶ必要はないと聞いたのですが、本当でしょうか?
どうしたら良いでしょうか?

僕は、予備校の先生でも進学指導の先生でもありません。
こんな事を聞かれても正しい答えが返せるかどうかは分かりません。
しかし、一つだけ言える事があります。

日本人の多くの人が、今だに、情報技術について間違って解釈しています。
「情報を学ぶ」と言う事を、「パソコンの使い方を覚える」と思っているのです。
そこで先ほどの、大学で情報を学ぶ必要がないと言った人の話に繋がります。

その人は、大学で、パソコンの使い方を教えてもらわなくても、独学で十分と言いたかったのでしょう。
これが多くの日本人の「情報」と言うものについての認識です。
では、少し外国に目を向けてみましょう。

日本以外の先進国では、大学の情報学科に「ブロックチェーン」について専門に学ぶコースを新設しています。
そして、多くの受験生が殺到しているそうです。
しかし、日本には「ブロックチェーン」について専門的に学べる大学は一つとしてありません。

日本の受験生に「ブロックチェーン」について知っているかと聞いたら、どんな返事がかえって来るでしょう?
恐らく全員が「知らない」と答えるほど、日本は遅れています。

「ブロックチェーン」と言うのは仮想通貨の流通や管理に使われているシステムです。
仮想通貨と言えば、コインチェックの500億円流出事件で有名になりましたね。
その影響で、仮想通貨に悪いイメージを持っている人もいるかもしれませんね。
しかし、流出事件とブロックチェーンの話は全く別物です。

世界中で起こっている仮想通貨の盗難事件は、必ず仮想通貨の取引所が襲われています。
なぜ、取引所ばかりが襲われるのでしょう。
それは、取引所がブロックチェーンの流通から外れて、存在しているからです。

取引所で取引された仮想通貨を、取引所から市場に流通させる時に、ブロックチェーンで流通します。
一度、ブロックチェーンで流通してしまった仮想通貨は、偽造も、複製も、盗難も不可能です。
ハッキング技術に長けた犯罪者でも、ブロックチェーンには手出しできません。
だから、犯罪者はブロックチェーンで流通する前の、取引所を狙うのです。

取引所が狙われる理由とブロックチェーンの信頼性が分かってもらえたでしょうか?

このブロックチェーンを使って、いろいろな事が可能になります。
例えば、住民票や戸籍などのデータを、紙ではなく、仮想データとして発行して、ブロックチェーンで管理します。
これではあれば、偽造される事も、盗まれる事も、複製される事もなくなります。
パスポートなども同じです。

医療で言えばカルテにも同じ事ができます。
会社や組織なども、機密情報、特許に関する情報などを、すべてブロックチェーンで管理すれば安全です。
日本以外の先進国の大学も受験生もその事を知っているのです。
だから、大学の情報学科で、ブロックチェーンについて学ぶのです。

大学の情報学科で学ぶのはパソコンの使い方であって、独学でも学べると思っている。
そう思っている日本人とは全く違います。

僕はセミナーなどで、日本は遅れているとよく口にします。
もしかすると、言葉たらずだったかもしれません。
パソコンの普及が遅れてるとか、パソコンの使い方の啓蒙が遅れていると、解釈されていたかもしれません。
しかし、そんな事ではないのです。

情報技術がどんなことに使えるのか?
多くの日本人が、それを理解できていないのです。
だから、日本は遅れてしまったのです。
日本がこれ以上遅れることのないように、一人一人の認識と解釈が、もう一段階高いものになって欲しいと思います。

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