今、知っておくべき事 その1

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年始のどうなるシリーズやITなるほど講座など、折に触れてお話ししている事があります。
それは「日本が今や後進国である」と言う事です。
しかし、そのお話をしても、多くの人は顔色一つ変わりません。

先日、ある女性に頼まれて、ある企業のデータを示しました。
その企業は、誰もが日本で有数だと思っている企業です。
その企業の現在の時価総額は日本で50位以下でした。
それに加えて、世界の企業の時価総額ランキングのトップ50も示しました。
日本で時価総額1位のトヨタ自動車が、世界の時価総額では42位にランクインしていました。
トヨタ自動車以外で、世界の時価総額ランキングに入っている企業はありませんでした。

同然、その企業も世界の時価総額トップ50にはランクインしていませんでした。
ちなみに平成元年の世界の時価総額ランキングでは、その企業も20位以内にランクインしていました。

僕は、彼女に言いました。
「あなたの知りたがっている企業は、世界規模で見たら今や商店街の一商店レベルです」
彼女は、絶句した後、あまりのショックに泣き出してしまいました。
彼女の調べたがっている企業は、日本でも多くの尊敬を集める実業家が起業した会社でした。
彼女もその実業家を尊敬していたので、ショックが大きかったのでしょう。

彼女は言いました。
「世界的にこれほど低くなっているとは思いませんでした」
僕は言いました。
「以前から、日本は後進国といっても良いほど遅れていますと言ってませんでしたっけ?」
彼女は言いました。
「その話は聞いた事ありますが、これほどとは思っていませんでした」

折に触れて話している「日本は後進国」と言う話は、誰も現実として受け止めていなかった。
僕はそれに気づきました。
だから、多くの人が顔色一つ変えないのだと理解しました。

日本の景気は平成に入ると同時に後退を始めました。
失われた20年、または30年と言われる期間と平成と言う年号は、奇しくも完全に重なっています。
昭和が終わり、平成を迎えた時、まだ日本はバブル経済の中にました。
しかし、程なくバブルは崩壊し、この30年の間に、経済大国日本は後進国まで後退しました。

僕が成人した時、既に日本は不景気の真っ只中でした。
その不景気の状態が、僕にとっての現実であり、日本という国の当たり前の状態でした。
バブル経済に浮かれる様は、見た事はあります。
しかし、それは子供の頃にテレビの中で見た事があるという程度の現実味のない風景です。

しかし、僕より一回り以上、年上の人は、全く違うのでしょう。
中国が台頭してきたと言っても、今でも日本は3番手、4番手あたりの経済大国だと言う感覚があるのだと思います。
台湾、韓国の企業などは、日本の後塵を拝していると未だに思っているのかも知れません。
だから、ランキング表を突きつけられ、大きなショックを受けたのだと思います。

平成が終わろうとしている今、現実をしっかりと受け止める必要があると思います。
今でも、世界ランキングの50位以内で必死で渡り合っている企業は、トヨタ自動車だけです。
そこに食い込もうと必死で追い上げている日本企業はソフトバンクだけです。
それ以外の日本企業に、かつての面影はありません。
多くの人が、日本企業より下だと思っている中国、台湾、韓国の企業の方が遥か高みにいます。

ここに平成元年と平成30年の世界の企業の時価総額のランキング比較やその他のリンクを貼っておきます。
ただし、あまりの悲惨さに落胆しないで下さい。
多くの人に、現実をしっかりと認識してもらおうと思っているだけです。
僕は、新しい年号と共に、日本が豊かな国になるように努力しようと思っています。

世界の時価総額ランキング平成元年と平成30年の比較
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(ダイヤモンドオンラインより)

現在の世界の時価総額ランキング50
www.180.co.jp/world_etf_adr/adr/ranking.htm

現在の日本の時価総額ランキング
tinyurl.com/y4zpctk5

今の状況から脱却するには、まず現状を把握する事です。
もう、かつての栄光はありません。
あるのは虚構の栄光と、日本はまだ大丈夫と言う儚い願望と、それを助長する偽の情報だけです。

何となく大丈夫だと言う偽の情報。
争う事は醜い事と言うリベラル主義者のプロパガンダ。
順位を付けてはいけないと言うゆとり教育の亡霊。

いい加減に、目を覚ますべきだと思います。
「争う事は醜い」
「順位を付けてはいけない」
そのセリフは、勝者であるために努力を続けた、誰もが認める結果を残した勝者が言うから意味があります。

「争う事は醜い」
「順位を付けてはいけない」
これを敗者が口にする事を、負け犬の遠吠えと言います。

イチロー選手は、笑われた、でも頑張った。
そして、結果を残した。
だから、笑われた事を口にしてもいいのです。

笑われた、でも頑張った。
しかし、結果を残せなかった。
そう言う人が、笑われた事を口にしても、負け犬の遠吠えと、また笑われるだけです。

結果を残せないのであれば、別の方法を考えて、意地でも結果を出す。
野球がダメなら、ゴルフ、プロレス、芸能界。
ジャンボ尾崎も、ジャイアント馬場も、長嶋一茂も、野球では結果を残せませんでした。
しかし、別の方法で結果を出してきました。
恥を知るかつての日本人は、負け犬の遠吠えと揶揄されないように、意地を張った。

しかし、今は始める前に言い訳から入る。
「争う事は醜い」
「順位を付けてはいけない」
挙げ句の果てにこう言う。
「結果を見てショックを受けたらかわいそう」

リベラル主義者は、いつもこう言います。
「世界は平等で、努力は報われなければならない」
しかし、それは嘘です。

世の中は不平等で、不条理です。
それは全ての人にとって同じ事です。
漢の高祖、劉邦は百戦した戦の中で九十九敗しました。
しかし、最後の一戦を勝って、漢を建国したと言われています。

劉邦のライバルだった項羽は、たった一戦負けただけで31歳で自決しました。
項羽に九十九戦負けても、おめおめと生き残り、たった一戦勝っただけで大帝国を築いた劉邦。
劉邦は62歳と項羽の倍の年齢まで生きたと言われています。

この不平等と不条理こそが現実です。
九十九勝した項羽の努力も、たった一敗で帳消しです。
「世界は不平等で不条理で、努力は少しでも手を抜いたら、すぐに人を裏切る」
これが本当の姿だと思います。
一度や、二度の失敗や障害で立ち止まっている暇はありません。
努力の手を休める事は、その時点で負けを意味します。

歴史を学べば自ずと理解できます。
全ての生物の中で、人間だけが歴史を持ちます。
歴史を知り、歴史を学ぶことができます。
だから、他の生物には決して作れない文明を築くことができるのです。

歴史を知らず、歴史を学ばず、ただ妄想の中で理想論を唱えていても何も生まれません。
今も、平成という歴史が終わり、新しい歴史が始まろうとしています。
歴史が動く今だからこそ、様々な歴史に目を向けて欲しいなと思います。

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