iPhone6やiPad Air2が出て、YosemiteやiOS8.1も公開されて思う事

Apple_-_iPhone_6

最近、Apple製品の批評がビジネスになるようになって来た。
そう思います。

私が初めてiPhoneを持ったのが、今から5年前。
iPhone3GSでした。
その頃の日本はBlackberryなどの、キーボード付きスマートフォンも普及しておらず、iPhoneもイノベーターと言われる新しい物好きの人が持っている特殊な電話。
そんな扱いでした。

私自身は友人に触らせてもらい、それまで多かった感圧式ではなく、静電容量式のタッチパネルに衝撃を受けすぐに買いに行きました。
当時、ガラケ-の2台持ちをしていた私は、割賦払いの関係上、機種変更では対応出来ず、ガラケー2台とiPhone1台の、3台持ちしか選択肢がありませんでした。
それでもiPhoneには大きな魅力があり、2年間も3台持ちをしました。

しかし、当時の私の友人の多くは、iPhoneを勧めても相手にしてくれませんでした。
「2つ折りの携帯電話以外は持ちたくない」
「Flashのゲームができない」
「ネットはパソコンですれば良い」
今では考えられない理由であまり受け入れられませんでした。

あれから5年。
今では、ボジョレーヌーボーのように、今年のiPhoneの出来はどうかを云々するだけでお金がもらえるポジションを確立したにわか評論家が、うじゃうじゃ湧いて来た感があります。

iモードやおサイフケータイの生みの親で、docomo一人負けの立役者と言われている元docomoの役員が、iPhone6Plusを酷評して一部で話題になっています。
「お前は、iPhoneを批評する立場から、最も遠い位置にいるだろ」
「おサイフケータイの利権構造を作った本人がApplePayを酷評しちゃいかんだろ」
そんなバッシングのコメントも何のその。
インパクトのある批評をすればするほど、お金になるんでしょう。きっと。

ちなみにApplePayとは、最新のiPhoneやiOSで可能になる新しいアップル独自の決済サービスです。

誰がどんな、批評をしようが言論の自由と表現の自由がある日本では問題ありません。
ただし・・・、評論家として批評をするならイノベーションについてもっと言及するべきだと思うのです。
イノベーションと言うのは、色々な意味があるのですが、新しい商品など登場によってもたらされる、新しい価値観と考えて下さい。

新しい商品が登場して、それを評価するのに重要な要素の1つがイノベーションです。
極端な事を言えば、デザインが気に入らなくても、会社の姿勢が気に入らなくても、ジョブズが生きていても、死んでいても、誰もが欲しいと思うイノベーションがあれば商品は売れます。

評論家の中で、このイノベーションについて言及している人は、ほとんどいません。
皆無に等しいと言っても過言ではありませんが、細々とイノベーションに言及した評論している方も実際にはいらっしゃいます。

2014年の下半期に発表されたiPhoneやMac、そしてiOS8とMacOSXが起こした大きなイノベーションは2つ。
その1つがApplePayでしょう。
これをおサイフケータイと比較するにわか評論家が非常に多いのも考え物です。
一般のユーザーであれば、それでも良いですが、評論家がそれでは残念すぎます。
残念を通り越して痛々しいとさえ思います。

ビール券と言う全国酒販協同組合連合会が発行している商品券があります。
日本銀行が発行している日本銀行券と言う紙幣があります。

どちらもお酒の販売店の中で使えば、同じような使い勝手が得られます。
でも、お酒の販売店を一歩出れば、全く意味が変わります。
これらを比べることは出来ません。

お酒の販売店の外でも、紙幣であれば色々な買い物が出来ます。
しかし、紙幣は贈答品に向きません。
現金では角が立つケースで、ビール券は贈答品として、とても便利です。

つまり、一定の条件の中で見れば、同じものでも、条件が変われば別のもになる。
それがビール券と紙幣の関係です。
おサイフケータイとApplePayの関係も、それと同じです。

非接触型決済の条件で見た場合、FeliCaと言う日本独自規格のおサイフケータイが、多く普及しており、日本国内では圧倒的に便利です。
しかし、決済全体で考えた場合、ApplePayの方が大きな可能性を持っています。

なぜならApplePayは、請求情報さえあればあらゆるケースで決済が可能になるからです。
おサイフケータイなどで、携帯電話を近づけて「シャリーン」となるあの機械がありますね。
おサイフケータイで支払いする場合には、あの機械が必須になります。

しかし、ApplePayでは請求情報さえあれば、決済が可能になります。
iPhoneやiPadが「シャリーン」と言う機械の代わりになる訳です。
インターネットでも、メールでも、非接触でも構わないので、請求情報を送って貰って、受信できれば、その場で決済できるわけです。

非接触決済でも、おサイフケータイのように独自規格の専用の機械が必要なわけではなく、国際的な規格に合わせた汎用の端末と請求情報を送信するプログラムさえあれば、比較的簡単に対応できる仕組みなのです。

この仕組みは、明らかに世界中でイノベーションを起こすはずです。
さて、日本でイノベーションを起こせるでしょうか?
残念ながら、こればかりは予想できません。

なぜなら、日本国内に限れば、おサイフケータイの利権があり、既得権益層が新しい決済方法を排除したがる可能性があるからです。
さらに日本のユーザーは現金好きが非常に多いと言う文化があります。
人間のエゴや文化的な要素が絡むと、予想通りに事は運びません。

ただし、おサイフケータイ以外のオンライン決済として、ジワジワと日本に入り込んでくるのは確実です。
そして、オリンピックに合わせて、世界で認知されている決済方法を政府主導で、導入する必要にも晒される筈です。

そう言った意味では、日本でも、そんなに遠くない未来にApplePayによるイノベーションが起こるのかも知れません。

さて、2つあるイノベーションのもう一つが、Mac OS X Yosemiteの登場です。
WindowsパソコンのOSがWindowsであるように、Macintosh(Mac)にもOSが搭載されています。
それがMac OS Xです。
これのバージョン10がMacユーザーに向けて、無料で配信されました。
このバージョン10の名前がYosemiteと言います。
アメリカにある国立公園の名前をつけたようです。

これがWindowsパソコンと最も大きな違いです。
MacはOSの無料化を進め、現在ではバージョンアップは全て無料です。
WindowsのようにVista、7、8と言うようにバージョンが上がる度に買い換える必要がありません。
なので、多くのMacユーザーはYosemiteにすぐにアップグレード出来ます。

このYosemiteはiPhoneやiPadとの連動が恐ろしく便利になっています。

Macのメモ帳で文章を書いていて、書きかけで出かけたとしても、外出先でiPhoneを開くとメモ帳が開いて、その続きを書く事が出来ます。
完全にシームレスで作業を引き継げるのです。

これはMacを使っている人しか、実現できない事ですが、使い勝手が格段に良くなります。
この仕組みは2014年6月に発表されました。
正式な公開はまだ未定と言うこの6月の段階で、2人の友人がWindowsからMacに買い換えました。

これは大きなイノベーションだと言えます。
iPhoneの最大の特徴であるパソコンとの親和性が、Mac限定ではありますが、また一気に進みました。
Mac限定だからこそ、Macに買い換えると言うイノベーションが起こるのです。

こう言ったイノベーションについて言及している評論が余りに少ないのが、とても恐ろしいと思います。

「ジョブズが生きていたらこうならなかった」と言った批評も良く目にしますが、これも全く意味不明。
虎の威を借る狐のような評論です。

ジョブズと言う虎の影響力を利用して、自分の言葉で語らず、さも全てを見通しているような上から目線の評論家と言えます。
こう言った評論家の言うことは全くあてになりません。

スティーブジョブズの死後、アップルの株は、約一年間、伸び続けました。
死の直後より1.8倍以上の値がつきました。
その直後、アップルの株価は暴落し、ジョブズの威光なきアップルは終わったと言われました。

しかし、その後、見事なV字回復を見せ、ジョブズの生前の2倍以上の高値を更新し続けるまで回復させたのは、現経営陣の手腕によるところです。

実際のところは、ジョブズの威光に依存しているのは、経営陣ではなく、評論家の方なのが何とも痛々しい限りですね。

さて、最終的なまとめですが、評論がお金になるようになると必ず御用評論家が幅をきかせます。
スポンサーからお金をもらって、スポンサーに都合の良い商品を褒めて、都合の悪い商品を酷評します。

今回のApplePayでも、おサイフケータイの既得権益を享受している企業や人がいます。
そう言った企業や人にとって、ApplePayに対応した新しいiPhoneは、都合の悪い商品と言うことになります。
評論家のスポンサーについて、自社商品の優位性を訴えて貰うという戦略を摂ることも十分あり得るわけです。
決して、スポンサーを付けて評論をする事が、悪いと言いたいわけではありません。

スポンサーの肩を持つために、重要な解説をせず、論点をずらして、どうでも良いことを評論している評論家が非常に多いという事を知って頂きたいのです。
そして、御用評論家に惑わされないようにして欲しいということです。

もっとも危険なのが、ショップの店員がその評論家の意見に騙されているケースです。
そう言った情報に惑わされないためにどうしたらよいのか?

ネットなどで、商品の批評を見るときに以下の項目がしっかりと論じられているかを確認してみて下さい。
内容自体が理解できなくても構いません。
こう言った論点で論じている情報を集めるようにしましょう。
・この商品はユーザーにどう言ったメリットをもたらしてくれるか?
・この商品はどう言ったことを求めているユーザーにお奨めなのか?
・この商品はユーザーにどんな新しい体験をさせてくれるのか?

例え店員の情報であっても、必ずしも有益とは限りません。
情報集めは慎重に行って下さいね。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です