今日は少し難しい話かもしれませんが、大切な話だと思います。

パソコンが欲しいんですが、何を買ったら良いでしょうか？
iPhoneXに機種変更したいのですが、良いのでしょうか？
ネットビジネスに興味があるのですが、やった方が良いでしょうか？

私は仕事柄、いろいろな質問を受けます。
しかし、これに対して正確な返答をすることは不可能だと思っています。
なぜなら、物事を「良い」と「悪い」で判断することは不可能だと思っているからです。

倫理学や哲学の考え方で、物事を「良い」「悪い」で判断することは不可能であると言う考え方があります。
これを道徳的個別主義と言います。
これは「良い」「悪い」と言う判断材料で、判断すると間違いを起こすと言う考え方です。

人間は「良い」「悪い」と言う判断をしがちですが、その「良い」「悪い」の基準がはっきりしていません。
「良い」と「悪い」の基準が間違っていたら、当然、正しい判断はできません。
では、私たちは「良い」「悪い」の基準をどう決めているのでしょう？

その基準と言うのが、共同幻想です。

例えば、ある程度、年配の方は「仰げば尊し」が卒業式に歌われなくなって残念に感じる人も少なくないと思います。
私も「仰げば尊し」の時代ですから、寂しい気持ちがあります。
しかし、「仰げば尊し」が普遍的に卒業ソングとして「良い」と言う訳ではありません。
ある世代、ある場所、ある集団などを限定した際に、その中で共通に存在する価値観を共同幻想と呼びます。
この共同幻想を元に「良い」「悪い」が判断基準になっていることが殆どです。

そう考えると「世の中は正しい基準で判断されている」訳ではない事が分かります。
尾崎豊は「Love Way」と言う曲の歌詞で、この曖昧な基準で判断を下す世の中を「共同条理の原理の嘘」と揶揄しています。
ただし、僕は世の中の不平不満を騒ぎ立てるために、こんなお話をしている訳ではありません。

この間違った基準に流されて、選択肢を狭めないように注意すべきだと言いたいのです。

アメリカのニュース誌のTIMEは、年末になると様々なランキングを掲載するので有名です。
「世界で最も影響力がある100人」などは、日本の実業家も選ばれる事があり話題になったります。
そのTIME誌で「2017年のガジェットTOP10」が発表されました。

その1位に輝いたのが任天堂の「スイッチ」と言う最新ゲーム機です。
iPhoneのプレムアムモデル「iPhoneX」を抑えての堂々の1位でした。
ここまで世界的に社会現象を起こしたゲーム機も、発売前には散々な評価でした。
それは評論家たちの共同幻想を基準にした評価に過ぎない訳です。

実際の消費者は、共同幻想の外にある見たことのないこのゲーム機に心をときめかせたのです。
あなたの選択の基準も「良い」「悪い」では、片手落ちです。
共同幻想の外にある直感に導かれた判断基準が必要なのです。

スティーブ・ジョブズは、共同幻想の外にあるヒット商品を作り出す天才だったと言えるかもしれません。
あなたの目的意識も、共同幻想の外に向けて見てはいかがでしょう？

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