Windows10の発売前に歴史と変遷を振り返る その1

746ba9a8a5b60d71a957f5706cb2f348.jpg

7月29日にWindows10がリリースされます。
リリース前のこのタイミングで、Windows10について、少しお話ししておこうと思います。

新しくでるOSのお話をする際に、いつも聞かれる事があります。
「新しいのは、操作が難しいですか?」
そう質問をしたくなる気持ちも解ります。
しかし、残念ながら意味が無い質問です。

難しいかどうかは個人的な感覚の差と、慣れの部分が殆どです。
数学の研究ばかりしている数学者と、高校時代から文系を選択してきた文学者がいたとします。
この二人に「高校数学は難しいですか?」と聞いたら答えは真っ二つですね。
数学者にとっては高校数学など朝飯前です。
しかし、文学者にとっては、見たくもないほど嫌いなのかも知れません。

だから、ここでは難しいかどうかは抜きにしてお話をしていきましょう。

Windows10は、Windows8/8.1シリーズの流れから外れています。
Windows8/8.1シリーズ以前の、Windows7を踏襲した流れに戻っています。
Windows8/8.1シリーズは、これまでとは全く異なったシリーズでした。
しかし、Windows8/8.1シリーズは、苦戦を強いられ、結局もとの流れに戻った訳です。

つまり、Windows7からWindows10に買い換える場合は非常にスムーズに進められます。
反対にWindows8/8.1シリーズに慣れている人は、Windows10に慣れるまで少し大変だと思います。

Microsoftは、Windowsの成功で少しあぐらをかいていました。

その間に、Apple社はiPhoneやiPadを開発し、自社のMacと効率よく連動するシステムを確立しました。
また、Google社はAndroidを開発し、世界中のスマホメーカーやタブレットメーカーに広めました。
これもGoogleのさまざまなサービスと効率よく結び着いています。

Microsoftには、スマホやタブレットと強力に結び着く商品はありません。
長年のあぐら体質で、完全に後れをとってしまったのです。

それを一気に挽回するために発売されたのが、Windows8/8.1シリーズでした。
パソコンのOSとしても、スマホのOSとしても、タブレットのOSとしても使えると言う物でした。
結果的には、パソコンのOSとしても、スマホのOSとしても、タブレットのOSとしても、中途半端でした。

当初、Microsoftは非常に強気で、パソコン、スマホ、タブレットのOSは統合すべきと主張しました。
Windows8を搭載したノートパソコンとしても、タブレットとしても使える商品も発売しました。
満を持して発売をしたものの、やはりノートパソコンとしても、タブレットとしても、中途半端でした。
この商品がサーフェスです。

Windows8/8.1シリーズの最大の失敗は、modernUIの採用とスタートボタンの廃止です。
ご存知のない方も多いと思いますので、少し説明しますね。

Windows8/8.1シリーズは、パソコンを起動しても、デスクトップ画面は表示されません。
デスクトップ画面とは、左下にスタートボタンがあるお馴染みの画面の事です。
では、どんな画面が表示されのでしょう。
modernUIと言う台上のパネルが並んだ画面が表示されます。

多くの方は、最初にこの画面で度肝を抜かれます。
どこをどうすれば操作できるのか?
一般の人には、それすら全く不明な画面なのです。
パネルの中に、デスクトップと言うパネルがあります。
そのパネルを選ぶと、お馴染みのデスクトップ画面らしきものが表示されます。

しかし、どこか違う。
なんと、画面の左下にスタートボタンがないのです。

これまでWindows95から17年間、世界中のユーザーは、スタートボタンを使ってきました。
スタートボタンを押して、ソフトを起動させたり、電源を切ったり、マイドキュメントを開いたりしました。
そのスタートボタンがなくなった訳ですから、世界中は大混乱でした。
しかし、Microsoftが世界中の大クレームに動じることはありませんでした。
Windows8から1年後に発表されたWindows8.1を見れば、動じていない事が良く分かります。

Windows8.1は、スタートボタンを復活させると言われて期待を集めたバージョンです。
しかし、実際には、画面の左下に、スタートボタンと言う名前のボタンが搭載されただけです。
世界中が期待したスタートボタンとは全く違う物でした。
クリックすると、なぜかデスクトップ画面が終了して、modernUIに戻ってしまうボタンです。
名前はスタートボタンですが、機能は「戻る」ボタンだった訳です。
右クリックすると、細かいメニューが出てきますが、誰も望んでいないメニューばかりが出てきます。

ここまで、ユーザーを無視した進化をするなんて考えられない事です。
なぜ、Microsoftは、これほど横暴な事が出来たのでしょうか?
いくつか理由があるでしょうが、大きな理由の1つにMicrosoft Officeの存在があったのだと思います。
パソコンと言えば、WordとExcelと言うほど、Microsoft Officeの影響力は絶大でした。
その絶大な影響力を背景に、Windowsはユーザーを無視した方向へ進化をしてしまったのです。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です