Windows10の発売前に歴史と変遷を振り返る その2

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7月29日にWindows10がリリースされます。
リリース前のこのタイミングで、Windows10について、少しお話ししておこうと思います。
これはその第二弾です。
Windows10に繋がるまでの、Windows8/8.1の失敗劇のお話です。

Windows8の最大の失敗は、スタートボタンと無くしたこと、そしてmodernUIの採用です。
Windows8.1の最大の失敗は、スタートボタンが復活したように見せて、全く別のボタンを追加したことです。
また、8から8.1へと、modernUIを引き継いだ事も失敗としか言いようがありません。

なぜ、Microsoftはユーザーの要望を鑑みずここまで独自路線を突っ走らなければならなかったのでしょか?
それはスマートフォンとタブレットの存在が無視できなくなってきたからだと推測できます。

iPhoneやiPodが登場して、スマートフォンとタブレットの位置づけが大きく変わりました。
それまで、スマートフォンやタブレットはパソコンの補助装置の位置づけでした。

そのため、一部のメーカーがビジネスマン向けに販売している程度でした。
その位置づけを一気に変えてしまったのがApple社です。
iPhoneとiPadの登場で、スマートフォンやタブレットは、パソコンと対等に比較されるようになりました。
つまり、パソコンを買うべきか、タブレットを買うべきかを悩む人が増えてきた訳です。

ライトなユーザーは、パソコンを持たず、スマートフォンとタブレットで充分だという状態です。
パソコンの活躍の場が少しずつ減ってきました。
パソコンの活躍の場が減ったという事は、Windowsの活躍の場が減った事を意味します。

10年前、パソコンと言えばWindowsが当たり前でした。
しかし、10年後、パソコンと言えば、Macにしようか、Windowsにしようかを迷うかも知れません。
さらに、その10年後「昔はWindowsって選択肢もあったよね」と言う可能性も出てきたのです。

だから起死回生の求心力を持った商品が必要になったのです。
その目的のために開発されたのがWindows8という訳です。
スマートフォンには、Windows8。
タブレットにも、Windows8。
当然、パソコンにも、Windows8。

この時、Microsoft社はiPhoneやAndroidスマホの問題点をつく予定だったのでしょう。

Apple社のiPhoneが登場して、世の中は一気に便利になりました。
Google社もそれに追随しました。
しかし、iPhoneの登場当初から、ずっと問題だった点がありました。
外出先で、iPhoneで作業をしても、自宅に帰ったらパソコンはWindowsと言う人が殆どです。
そのため、続きをスムーズに引き継げないと言った点です。

しかし、この問題もクラウドアプリの進化で徐々に解消されつつありました。
Evernoteと言うクラウドノートを使うと、文章や写真を簡単にパソコンと共有できます。
Dropboxと言うクラウドストレージを使うと、さまざまなデータをパソコンと共有できます。
こう言った仕組みを利用することで、iPhoneとWindowsの連動は非常に便利になっていきました。
現在では、クラウドアプリを利用しなくても、iPhoneにネイティブでクラウド機能が搭載されています。

残念ながらWindows8が発売されのは、データの引き継ぎ問題が解決され始めた頃だったのです。
世間の流れは、スマホがiPhoneで、パソコンがWindowsでも、続きがスムーズに引き継げる。
そう言った使い方が容易になっていました。
今さら、スマートフォンも、タブレットも、パソコンも、同じWindowsが使えますと言っても手遅れでした。
逆に「今さら、スマホを買い換えるのも面倒だし」と思われてしまいました。

さらに、スマートフォンやタブレットからの操作を想定したmodernUIはパソコンでは使いにくい代物でした。
しかし、Microsoft社はへこたれませんでした。
そこで、次に餌にしようと考えたのが、Microsoft Officeです。

パソコンと言えば、WordとExcel。
これは、ビジネスマンでなくても知っている常識でした。
ビジネスマンであれば、WordとExcelとPowerPointとOutlookぐらいは使える。
そんな雰囲気でした。

このWordとExcelとPowerPointとOutlookをセットにしたものが、Microsoft Officeです。
一時は、世界中がパソコンにMicrosoft Officeが入ってないと仕事に使えないと錯覚していました。
Word以外で文書を作成して、先方に送っても「開けない」「文字化けする」などと思われていました。
さらに、そんなことを考えるまでもなく、文書作りはWordでしか出来ないと思っていた人もいました。
そこまで、WordとExcelを浸透させたのは、Microsoftです。
Microsoft社のたゆまぬ努力と、独禁法違反すれすれの販促活動の結果です。

Microsoft社は、そんなMicrosoft Officeの魔力を背景に、Windows8/8.1を更に推し進めました。
「スマホ、タブレット、パソコンで、Microsoft Officeが使えるのはWindows8だけです」
このキャッチフレーズで、世界は、もう一度、Microsoft社のものになるはずでした。
しかし、クラウドの発展はユーザーに新しい知恵を提供してくれました。
その知恵は、Microsoft Officeへの錯覚から目を覚まさせるほどの知恵だったのです。

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