カメラの画素数が上がると画質が悪くなる?
先日、セミナーの際に受講者さんとこんな雑談をしました。
受講者さん:次のiPhoneは1200万画素になると言われていますね。
私:そうですね。綺麗に写るかどうか気になりますね。
受講者さん:画素数が上がると綺麗になるんじゃないですか?
私:画素数の向上と、綺麗とか綺麗じゃないは直結しないんですよ。
画素数が向上すると、精密な写真が撮れるのは事実です。
でも、精密だけが綺麗な条件ではありません。
写真には光の色合い、強さ、弱さなど、さまざまな要素があります。
画素数と光で写真の綺麗さは決まります。
言い換えれば、光に含まれた情報を保存したものが写真なのです。
その光に含まれた情報を読み取るのが画素と言われるセンサーです。
この画素の数が多いほど、精密な写真が撮れるという仕組みです。
しかし、スマホのカメラは「画素を増やせば写真が綺麗になる」と言う簡単な理屈は通りません。
その理由は、小型化にあります。
同じ面積の中に、800万の画素がある場合と1200万の画素がある場合を考えてみましょう。
800万の画素の方が、1つの画素に降り注ぐ光の量は多くなりますね?
解りにくいようでしたら、おやつで例えましょう。
同じ量のおやつを用意しました。
8人兄弟と12人兄弟の家庭では、1人の分け前が多いのはどちらでしょう?
答えは8人兄弟の方ですね。
それと同じだと思って下さい。
スマホに内蔵できるカメラユニットの大きさには制限があります。
もっと薄く、もっと軽く、と進化してきたのがスマホです。
画素数が増えたからと言って、カメラユニットを大きく出来ない訳です。
小型化されたカメラユニットが集められる光には限界があります。
画素数を1200万に増やしても、カメラユニットの大きさがほぼ同じなら、別の努力が必要です。
良い画質を維持するために、最低限この2つが必要です。
出来るだけ光を集めることが出来るレンズ。
出来るだけ感度が良いセンサー。
現行のiPhoneは800万画素ですが、画質が良いと言われているのは、光のバランスが良いからです。
でも1200万画素に増えたら、そのバランスを一から調整しなければなりません。
スマホのカメラで1600万画素や2000万画素と言われて販売されているものもあります。
しかし、撮影してみると「期待した程じゃない」と思う事も少なくありません。
現段階では、次期iPhoneが1200万画素になると言うのは噂です。
でも、もし1200万画素になったら画質が維持できるかどうか非常に気になるところです。