iPhone6に合わせて登場するiOS8に採用されるApp Extensionでアプリが拡張され色々な事が出来るようになる

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iPhoneを使い始めて5年、最初に購入したiPhone3GSに搭載されていたiOS3の頃から、マルチタスクを必要性を唱えるユーザーは多くいました。
マルチタスクとは同時に複数の処理を行う仕組みです。
現在のiOS7では、マルチタスク的な事が出来るようになっています。

ただし、本来のマルチタスクと言えるかどうかは微妙なところです。
実際にYouTubeで音楽を聴きながら、文章を書くと言った事はできません。

しかし、最近「マルチタスクだけではiPhoneの利便性は高くならない」と思うようになりました。
PCやMacならマルチタスクでウインドウを並べて作業すれば、アプリケーション間の連携は、すぐに実現できます。
例えば「ブラウザで文章を選択し、クリップボードにコピーして、メモ帳にペーストする」といった作業ならウインドウを並べておけば瞬時に出来ます。

しかし、iPhoneでその作業をする時には、細かいアクションが必要になります。
1.ブラウザで文章を選択して、コピーする。
2.一度ホームに戻るか、マルチタスク一覧を出すか、4本指スワイプでメモ帳を起動する。
3.その後、メモ帳にペーストする。

最近、このまどろっこしさが煩わしく思えてきたのです。
ベースをPCやMacに置いて、考えていたのでマルチタスクさえ使えれば、色々な作業が簡略化できると錯覚していました。
しかし、スマートフォンでは複数のアプリのウインドウを並べて表示することは表示領域の問題でナンセンスと言わざるを得ません。

そこで、最近のアプリは「URLスキーム」でデータの受け渡しが出来るようになっているものが増えてきました。
アプリの中に「他のアプリで開く」と言う機能がある物があります。
それが「URLスキーム」を利用したデータの受け渡し機能です。
この機能を使う事で、アプリ同士を擬似的に連携させることが出来ます。

ただし、可能なのは簡単なデータの受け渡し程度で、アプリの機能自体が連携することは不可能でした。

これはiOSがアプリ同士が直接連携する事を規制しているからです。
Appleはこの仕組みで、セキュリティを高めています。
Android端末に比べてiPhoneの方がセキュリティが高いと言われているのは、そのためです。

こう言った話をすると「私はiPhoneを使っているのにLINEのアカウントが乗っ取られた」と仰る方がいるかも知れませね。
最近、流行のLINEの乗っ取りは、パスワードの使い回しなどが原因で、iPhoneの内部から流出したものではありません。
LINEのケースは、この場合のセキュリティの話とは全く別問題です。

さて、話を戻してiOSの話ですが、これまでアプリ同士の連携は一部のアプリに限定されていました。
例えば「連絡先」に設定された顔写真が「メッセージ」の顔写真として表示される。
また「Facebook」のイベント予定が「カレンダー」に表示される。
こう言った連携はiOSに搭載されているサンドボックスと言う機能を利用して実現していました。

サンドボックスとは一般的には、他とは隔離された領域でプログラムを動作させる環境のことです。
プログラムをテストしたり、セキュリティを高めるために使われる仕組みです。

iOSの内部では、このサンドボックスを利用して、アプリとiOSが連携をとります。
「連絡先」と「メッセージ」の連携では、「連絡先」がサンドボックス内部でiOSと連携します。
その後、iOSが受け取ったデータや機能を、再度サンドボックス内で「メッセージ」に受け渡します。
このサンドボックスが中継することで、安全性が高い連携を実現しています。

これまで一部のアプリに限定されていたこの機能を開放する仕組みがiOS8に搭載されます。
それがApp Extensionと言う機能です。

iOS7からtouch IDと言う指紋認証が搭載されています。
この指紋認証は、これまでスリープ解除とアプリ購入にしか利用できませんでした。
これが銀行のアプリに利用できたりする訳です。
それ以外にもオークションの入札状況が通知センターに表示され、通知センターから直接入札できたりと言った事も可能になります。
手書きアプリが、さまざまなアプリの入力に利用できると言う期待も高いようです。

先ほどもお話ししましたが、スマートフォンには表示領域の問題で、複数ウインドウを表示させるのはナンセンスです。
App Extensionでアプリが連携し合えば、iPhoneの利便性は格段に高くなる筈です。
今後のApp Extensionの広がりが、iPhone、iPadの将来を左右するはずです。

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