どう解釈する!?この現象

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毎年、秋頃に新型iPhoneが発表されます。
ご存知の方も多いと思いますが、iPhoneは一年に一度モデルチェンジしています。
発表の半年前ぐらいから、どんな新機能が搭載されるかと言う噂が出回ります。

噂と言っても、素人の適当な噂だけではありません。
Appleに部品を供給している下請け会社からのリーク情報なども含まれています。
そう言った情報は、ある程度の信憑性があります。
どの噂が信憑性が高く、どの噂が信憑性が低いのかを見定める自称専門家までいます。
iPhoneマニアの間では、そう言った自称専門家のブログが度々話題になります。

しかし、どの情報もAppleが公式に発表したり、認めたものではありません。
つまり、裏の取れていない情報というものです。
こう言った情報は、テレビや新聞では流せません。
なぜから、マスコミは裏を取った情報を流すのが原則だからです。
それゆえに、ネットの情報よりも、テレビや新聞の情報が信頼できるという人もいます。

ところが、これはあくまで表向きの話です。
テレビでこんな番組を見たことはありませんか?

「週刊誌にこんな記事が掲載されました」
「スポーツ紙にこんな記事が掲載されました」

ワイドショーなどで、よくあるコーナーです。

これは裏取りの必要はありません。
実際に記事が掲載された、週刊誌やスポーツ紙が存在します。
物的証拠があるので、裏取りの必要はありませんね。
ただし、週刊誌やスポーツ紙が裏取りをして掲載しているかどうかは不明です。
だって、週刊誌もスポーツ紙も、雑誌なので、テレビや新聞ほど厳密な裏取りの必要はありません。

話を整理すると、こう言うことです。
? 厳密な裏取りが必要のない週刊誌やスポーツ紙に、ニュースが掲載される。
? 同ニュースが掲載された週刊誌やスポーツ紙を物的証拠に、裏取りをせずにテレビや新聞で報じる。

そして、数年前から、この週刊誌やスポーツ紙と一緒に、物的証拠の仲間入りしたのが、ブログの情報です。
「こんな記事が、ブログに掲載されていました」
そう行ったニュースが増えてきました。
取材もせず、ネット検索のみで、ジャーナリスト面する人が増えてきたと言うことでしょう。

先日、NHKでも、新型iPhoneの噂を取り上げた番組を放送したそうです。
その中で、新型iPhoneの外観予想の画像が放送されたそうです。
そこで使われたのが、Apple以外のメーカーから発売されている別のスマートフォンの画像だったそうです。

このことについて、ネット上で指摘ががあり、話題になっていました。
「新型iPhoneの予想画像に、他社の商品画像を利用するのは如何なものか?」

それについてITmedia NEWSと言うニュースサイトがNHKに取材したところ、NHKから回答があったそうです。
「様々な予測を元に、商品の外観を予測し、他社の商品画像を使ったが、画像の許可は得ている」
こんな感じの回答だったそうです。
そのITmedia NEWSの記事は、NHKの回答を掲載していました。

しかし、僕に言わせれば
「そこじゃないだろー!!!」
と言う気持ちです。

ここで、もう一度、話を整理しますね。
? ネット上では、本当か嘘かわからない新型iPhoneの噂が出回っている。
? どれもこれも公式に発表されたものではない。
? 中には、下請け会社からリークされた信頼性が高い情報も混じっている。
? 自称専門家と言われる人たちが、噂の信頼性に格付けしてブログに掲載している。
? ブログの信憑性は不明。
? そう言った情報を集めて、NHKが番組で扱った。
? その番組の中で、新型iPhoneを予測した。
? その予測に近い他社製品の画像を紹介した。

この流れは既にマスメディアの仕事として破綻しています。
新型iPhoneなので、誤魔化されてしまいますが、分かりやすく言えば、口裂け女と同等です。

? 口裂け女の情報が出回っている。
? ご近所では、その話題で持ちきりです。
? 大学教授などの、社会的に信用の置ける人まで、見たと言い出した。
? お寺の坊主も、見たと言い出した。
? ただし、坊主が信心深いかどうかは不明。
? そういった情報を集めて、NHKが番組を作った。
? その番組の中で、口裂け女の外観を予想した。
? 水木しげるが描いた絵がよく似ていたので紹介した。

番組の根本的なソースが、公式なものではなく、噂である以上、結局、この口裂け女と同レベルと言うことです。
それに、多くの人が気づいていないの事が、僕は怖いのです。

ネット社会は、誰もが情報を手に入れられる便利な時代です。
権力者が隠そうとする情報も、どこかからリークされ、多くの人が知ることができます。
しかし、反対の危険性も含んでいます。
100の噂が集まって真実として扱われたり、たった1つしかなくて目立たない真実が嘘になってしまう。

だから、ネットは、テレビや新聞とライバル関係にあった方が良いのです。
テレビや新聞は、ネットの情報は信用できないと切り捨てて、独自の取材にこだわればいいのです。
当然のことながら、ネットの台頭により、テレビや新聞の市場規模が小さくなってくるでしょう。
華々しい世界でもなくなってくるでしょう。
これまでテレビや新聞社が、電通や博報堂と共謀して、必要以上に市場規模を広げたすぎただけです。
ジャーナリズムの市場など、本来、それほど広くなくて普通です。

その結果、経営の立ち行かなくなるテレビ局や新聞社も出てくるでしょう。
だからと言って、ジャーナリズムが短絡的なエンターテイメントと迎合したら終わりです。
エンターテイメントが悪いわけではありません。
あくまで、短絡的なエンターテイメントと言うことです。
今回のNHKが噂を元に新型iPhoneの話題を番組で扱った件について、僕はそう解釈しました。

参考までに、ITmedia NEWSの記事はこちらです。

www.itmedia.co.jp/news/articles/1707/12/news076.html

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